選ばれし100人(中二)


確か、エドモンド・ハミルトンのSF「キャプテン・フューチャー」で、宇宙船が未開の惑星に墜落、そこから脱出するために、一から宇宙船を作るという話がありました。何にもない惑星で、鉱山を探して斧を作るところから始めるという、とてつもない物語だったように記憶していますが、実際、そんな環境に置かれてしまったら現代人は生き延びることすら難しいのが現実ではないでしょうか。

物語は、全員囚人という設定だったと思うのですが、じゃあ、なんかの加減で文明が一切滅びてなくなった世界で生き残るために、100人だけ連れっていいよーって言われたら、どういう人間を連れて行くべき、なんでしょうかね。あー、単なるサバイバルだけが目的でなく、文明復興が前提として……。

まず思いつくのが、医者。2人ぐらいほしいですね。次に、食べ物を確保するために農業を実践している人がたくさんほしい、と思ったのですが、実際に農耕で食料を確保するには、年単位の時間が必要になります。とすると、狩猟をなりわいにしている人、あるいは漁師さん。山で食料を見つけるのに長けた里山生活者? みたいな人たち。当面はこの人たちで100人を食わせなければいけないわけで、ある程度、20人ぐらいは確保しなければいけないかもしれません。

食のつぎは住ですが、大工さんをたくさん連れて行っても、鉱脈の発見、精錬加工ができないと、あんまり役に立たない気もします。ので、大工さんは数人でいいや。まずは鉱山に詳しい人。石炭を探す才能も持ってるといいですね。こういう職能というのはどういう人なんでしょうか。鉱山技術者? 学者さんでしょうか。あとは、加治屋さんが2人ぐらい必要かな。炉を作ったり、レンガを焼いたりできる人もいると便利かもしれません……。

……とまあ、そんなところまで考えて、なんかTOKIOを連れてけば問題解決! みたいな感じがしてきたわけですが、じゃあ、逆にどういう人は役に立たないのか? と考えたとき、まっさにき思い浮かんだのが「ノーベル賞受賞者」。ひょっとするとなかにはサバイバル能力とか、冶金の知識と実技に秀でたノーベル賞受賞者という奇特な方もいらっしゃるのかもしれませんが、あいにく身近に受賞者がおらず、生活の知恵をどの程度持ち合わせておられるのか、想像もつきません。あるいは「料理が超うまい!」などの才能をお持ちでしたら再考いたしますが、青色LEDとかの前に、どっちかというとこの場合電気がほしいですよね、電気。

で、その電気なんですが、炭を塩水にひたして、確かアルミと銅で電池ができると習った気がするんですが、これだと電球1個点けるのも難しい。とすると水車で発電、というと、モーター作らねばあかんです。加治屋さんがなんとかして細く長い針金を作ったとして、絶縁はどうするとか、磁石ってそのへんで手に入るんだろうか、金属叩けば磁石できるんだっけ?とか考えていたら、その前に蒸気機関を作るべきだという気もしてきたし、うー、蒸気機関ができたところで、原始的な生活に何の役に立つんだろうという根源的な疑問もわいてきて、収拾がつかなくなってまいりました。

結局のところ、人が無文明下に放り出されたら、サバイバルを実行しつつ、どこまで文明的な生活を取り戻せるか、そして、どこまでで満足しちゃうのだろう、なんてところに考えが。せいぜい、江戸初期ぐらいなんじゃないだろうか。

そういえば、着るもののこともまったく考えていませんでした。木綿を生産するとして、糸ってどうやって布にするの?とか。弥生のころには布に穴を空けた貫頭衣があったはずなので、布を織る技術がないと、江戸どころか縄文時代がやっと、なのかもしれません。そうそう、青銅の文化もこのころですよね……。

というわけで、100人の人間で当面は縄文ぐらいの生活をするのがやっとで、文明の再興に着手するまでにはえらく時間がかかるような気がしてきました。

そんな前提でプランを修正。100人の人選を考え直してみたいと思います。考えてどうするという問題もありますが。


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